「アイヌの結婚式」上映会レポート 8/8回

土曜日の会の「アイヌの結婚式」上映会に伊藤碩男さんをお招きにし、お話を伺いました。なお、音声記録の書き起こし、及び文章の編集は由井英が担当し、伊藤さんは書き起こしした文章を推敲し、加筆しております。

上映作品:「アイヌの結婚式 」民族文化映像研究所 制作/1971年完成/33分
土曜日の会 上映日:2018.5.19 Sat.
ゲスト:伊藤碩男 氏:「アイヌの結婚式」撮影カメラマン

写真:伊藤碩男さん【民族文化映像研究所 所属】
アイキャッチ画像:映画「アイヌの結婚式」より ©︎民族文化映像研究所

【参加者の感想】

「何か意識をおいて撮るのではなく、ただ撮るということはむしろとても難しいことだと私は思いました。そのためか、映画を見ていて素直に自分の中に入ってくる珍しい映画だと思いました。ただ現代の自分が見る場合には、あまり素直に感情移入できない、あるいはしてはいけないという気持ちにもなりました。また自分の中にもある前近代的な温かみに対する憧れとそこから分断された辛い気持ちも味わいました。」

「私は今日の映画を見て、特別に感動とか感銘を受けたとかそういうことはありませんでした。しかし淡々と描いている映画を見てまして、「ああ、こういうことがあったのかな」と思いました。映画に対する皆さんの質問や感想などをお聞きしてますと、淡々と映像に映し出されていることがかえって情報量の豊かさになっているのではないかと思いました。」

「「わからないのを撮るのがドキュメンタリー」という言葉に、(伊藤:ずるい言い方ですね。)でも、そうしたドキュメンタリーがすごい好きなんです。淡々と出されたものを見たときに、バイアスのかかっていないものを受け止めたとき、私とそれとの会話とか、私って何者という疑問が大きく膨らむので、バイアスのかかっていないものを今日は頂戴したなという思いが致しました。」

「おばあちゃんたちが鶴の舞を舞う時の所作、自然の中で共生してすごく幸せに生きてきたんだなと、あの舞から実感しました。羨ましくも思いました。先日の土曜日の会で「ふるさと論」の話題が上がりましたが、それと今回のことがリンクして、アイヌのアイデンティティー、それが消失してしまうという境遇、そこに至って初めてもう一回自分たちの行動を確認するということになったのかもしれないと思いました。翻って私の日本人としてのアイデンティティーとか誇りとか、それって一体なんなんだろうと改めて考えるきっかけを頂きました。」

「私は祝宴というか、喜びで胸が打ち震えたというか、自分がこうやって結婚したら嬉しいだろうなという気持ちになりました。もちろんアイヌとして彼女(新婦)が失われたものを復活させたかったという気持ちもあったかもしれませんが、改めて結婚とはなんだろうとか、結婚に行くまでの覚悟とか、そんなことを改めて考えました。それから結婚がこんなに村の周りの人を喜ばせていることへの驚き。踊りを踊ったりとか、結婚ってこういう制度だったのかと。アイヌの人たちは、あの風土を元にあのような結婚の形を作ったのだろうと思いました。」