諏訪式。が重版されます。諏訪を中心に信州のお住まいの方々に広く読まれているようです。「諏訪人」に読んで頂くことはとても嬉しいことです。

皆さんはご存知かもしれませんが、著者の小倉美惠子は現在の川崎市宮前区の生まれです。彼女の最初の作品である「オオカミの護符」は、自分の地域を自らの「内なる眼」で掘り下げていった作品と言えるかもしれません。

内なる眼は、多摩丘陵の山々を覆い尽くしているアスファルトを突き破り、今は埋もれたかに見える大地にしっかりと根を張って生きてきたお百姓の暮らしを浮かび上がらせました。

亡き祖父母の面影を頼りに、オオカミの護符に導かれるように旅に出かけて秩父の山々を巡り、再び自分が暮らしてきた地域に戻ってきた時に見えてきたのは、関東一円に広がる「山びと」と「里びと」がお互いの暮らしを支え合う「つながり」でした。オオカミの護符はその象徴だったのです。

そう考えると、諏訪式。は、小倉が初めて自分の生まれ育った地域を離れて諏訪を舞台に「外なる眼」で仕上げた初めての作品とも捉えられそうですが、実はそれだけではないところにこの本の特徴があると思っています。

つまり、小倉は諏訪式。においても決して「内なる眼」を手放したわけではありません。むしろ、自分の生まれ育った地域に軸足を置き、内なる眼を携えて離さず、そこに外なる眼を重ねて諏訪を見ているように思えるのです。

そういう意味において、諏訪式。は、オオカミの護符の続編と捉えることもできるでしょう。

今、日本各地で自らの足元の地域を見つめ直し、アスファルトの下の世界とつながり、そこを起点に広く世界との関係を結び直したいと願う人々の案内人を小倉美惠子が諏訪式。という作品の中で担っているように私には思えるのです。(yui)


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