ちいさいおうち

2019.2.17 冬のものがたり

のぶさんが、「ちいさいおうち」という本を持ってきてくれました。同じ題名の新しい本と古い本がありました。

私たちは前日、みんなで集まって、「谷戸の下」というお店について話し合いました。たくさんの意見が出ました。そのとき、のぶさんが「ちいさいおうち」の話をしてくれました。

のぶさんが本を届けてくれたあと、micoさんはすぐに「ちいさいおうち」を読み始めました。micoさんは静かに読んでいました。すうっと本の世界に入っていきました。

しばらくして、micoさんの肩が少し動きました。それを見て私は言いました。

「最後まで読んだ?」

「うん。泣いちゃった」とmicoさん。

「どんなお話?」

「ここのお話」

「ここ」とはいま、micoさんが住んでいる街のこと。「谷戸の下」が開かれようとしている街のこと。かつては、たった50軒ほどのちいさい村でした。遥か彼方の外国のお話とmicoさんの村のお話がつながりました。

そしてmicoさんは、谷戸の下のみこちゃんになりました。

「ちいさいおうち」はのぶさんが好きな本でした。のぶさんは幼いころ、眠る前のひととき、お母さんにこの本を読んでくれるようおねだりをしました。お母さんは枕元で優しく「ちいさいおうち」を読んでくれました。

古い本の裏表紙には、のぶさんのお母さんの名前がありました。のぶさんを通じて、のぶさんのお母さんと谷戸の下のみこちゃんが出会いました。

ちいさいおうち”に 4 件のコメント

  1. ちいさいおうちは、私も娘たちも大好きな本です。この本を読むと、最近5歳になった娘は神妙な顔をして聞いています。

    私の記憶でも小さい頃から図書館や児童館に置いてあった気がしますが手に取ったのはもっと後になってからです。調べてみたら、出版は1942年ですが、物語は1900年から1940年代までのアメリカを描いたとか… 100年以上前のお話とは思ってもみませんでした。

    世田谷の実家の周りも、昔は畑が沢山あって、いつも誰かが作業していたのに今は全てマンションと駐車場です。発展する事で、逆に大切なことを忘れてしまった社会。本に出てくる小さな家は、私たちの心を代弁してくれているように思います。

    のぶさんとお母様、micoさんの想いが本を通じて出会った事はとても素敵だと思いました。

    1. Kazuちゃん

      感想を送ってくれてありがとう。谷戸の下のサイトでもやりとりができることを嬉しく思います。「ちいさいおうち」はアメリカの物語だったんですね。知らなかったです。のぶさんは、「ちいさいおうち」の現代翻訳版とのぶさんのお母さんが読んでくれていた昔の翻訳版と二冊持ってきてくれました。

      読んで見ると、昔の翻訳の方がいいんですね。とても言葉を選んで翻訳しているし、行間なんかもうまく空けられていて。おそらく英語の原書の味わいを汲み取るために相当に表現を探り、工夫したのではないかと思います。素晴らしい翻訳です。

      本のタイトルが、
      「ちいさな」おうちではなく、
      「ちいさい」おうちなのが素敵です。
      趣が違うと思わない?

      のぶさんとのぶさんのお母さん、micoさんとkazuちゃんまで繋がりましたね。そうした縁は不思議でもありますが、みんなの人柄を考えると素直に納得しちゃう。

      帰国の際は、谷戸の下に遊びに来てね!

  2. はじめまして、伸と申します。

    『ちいさいおうち』がみこさんと母を結んでくれたのと同じように、私もkazuさんと本を通して、繋がりを感じることができて、嬉しく感じています。

    『ちいさいおうち』を合わせて、幼い頃に母が選んでくれた本の中で、とりわけ好きだった本が3冊あります。どれも「いえ」に纏わる絵本です。

    その中で最初に母が読んでくれたのが、この『ちいさいおうち』です。ちいさいおうちの四季折々の暮らしの風景を眺めるのがとても好きでした。

    次に読んでくれたのが、ポーランドの絵本『まどをあけて』です。今見ても色褪せない動物たちそれぞれの家の内装に、心踊りました。

    3つ目は、安野光雅さんの『10人のゆかいなひっこし』です。家具、照明、食器、雑貨、、、、家の中にある細々としたもの全てを詳細に眺めては、愛おしく思いました。

    雑貨好きだった学生から、家の内装に関わる仕事を経て、今不思議なご縁で、家が立つ土地やそこでの営み、暮らしに立ち戻る機会をここ「谷戸の下」でいただいています。

    まるで、幼い頃好きだった3冊の絵本を遡って、『ちいさいおうち』に原点を見出しているようにも感じます。

    谷戸の下で私ができることはほんのちいさいかもしれませんが、日々のちいさいこと誇りに、ここにたち続けたいと思ってます。

    Kazuさんにお目にかかれる日を楽しみにしております。

    1. 伸さん、はじめまして。
      実はこっそり谷戸の下のインスタグラムも拝見しています。私も保存食を作ってみたり、パンを焼いたり、試行錯誤して手作りする事が大好きなので、伸さんの投稿を楽しみにしています。

      yuiくんが書いていたように、魔法をかけられてしまうお料理が、伸さんのように暮らしの細部を大切にされる方から生み出されるのは納得です。8月に4週間日本にいる予定ですので、必ず谷戸の下に伺います。伸さんとお会いできる日を心より楽しみにしています!

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