「谷戸の下」のみこちゃん

2019.2.8のものがたり

こんな風に屋号をつけて呼んでくれる人がいなくなって久しくなります。

土橋がまだ50軒の村だった頃、屋号で呼ぶのは当たり前のことでした。なぜなら同じ苗字の家が多かったからです。他に「おもて」「西ん台」「日向根」「かどや」「辻」など、方角にもとづく屋号や、「みせ」「紺屋」「こうじ屋」といった家業、「大笠」といった家の役割などを屋号にする場合もありました。

我が家のあった集落は「谷戸」と呼ばれ、村の奥まったところにあり、たった6軒で助け合ってきました。今ではホテルやホールで行う結婚式やお葬式も家で行っていましたので、ご近所というより、ゆるやかな家族といった感じでしょうか。

なだらかな雑木山と竹やぶに抱かれた「谷戸」。これが、多摩丘陵の風土を物語る大事な言葉と知ったのは後々のことですが、なんともやわらかく、穏やかな土地柄は、まるで「お伽の国」のようでした。

写真は「谷戸の下のみこちゃん」が5歳の頃。背景には「激変する村」の様子が映リ込み、「お伽の国」が消えゆく流れに抗う気持ちがまなざしに宿っています。

 今、「谷戸の下」という屋号に新たな価値を見出し、大切に思ってくれる仲間とともに、「谷戸」の安らぎと心地よさを味わっていただける場を開けることを心からありがたく思っています。

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