谷戸の下ブレンド試作中

2019.5.13 春ものがたり

谷戸の下のコーヒーの話。タイプの異なる2種類のブレンドコーヒーを試作している。焙煎が強く、苦味やコクがあるタイプと焙煎が柔らかく、酸味がありフルーティーな香りのするタイプだ。私は、しっかりとしたコクや苦味があるコーヒーが好きなので、濃いブレンドコーヒーの試作担当を買って出た。

全く個人的な趣向だが、私はブレンドコーヒーにとても惹かれる。特別な産地の豆を自分の好きな焙煎度で、丁寧にお湯を指して飲む混じり気のないコーヒーも美味しいものではあるが、ブレンドコーヒーにはそれとは全く別の楽しみ方や世界観があるように思う。

世の中に「足していく」料理と「引いていく」料理があるとすれば、コーヒーはカレーのスパイスと同じように、種類を足していくことで新しい味が生まれるように思える。そこには今までに誰もが発見したことがないフロンティアがあると信じたいのだ。どうやったらたどり着けるのか、その試行錯誤がなんとも楽しい。

谷戸の下の近くの自家焙煎専門店から数種類の豆を選び、焙煎度も変えて、自分の感覚による割合で混ぜてみた。写真をみると、豆も焦げ茶色に濃いものやそれより少し薄いものがあるのがわかると思う。

実際に飲んでみたところ、1回目の試作にしてはなかなかいい味。少なくとも失敗ではない。でも、日を変えて何度も味わうと、何というか、何かが決定的に足りない。苦味は十分ある。しかしスッキリしすぎていてコクが足りない。だから面白くない。まるで女の子に、

「yuiくんは、優しいけどスッキリしすぎていて、コクが足りないのよ」

と言われているようだ。納得がいかない。そこで豆をさらに細かく挽いて、ゆっくりお湯を指して粉に十分含ませて飲んでみる。しかし依然として、コクが足りない。やはり俺はコクのない男なのか…と、また話が別なところに行きそうだが、いったいどうしたらコクが出るようになるのだろうか。豆の種類を変えるか、焙煎の度合いを変えるか。いや、むしろ豆の選別はいいと思う。すると、より強く焙煎するか、あるいは別のタイプの豆をさらに加えてみるか。

あ〜、私もとうとう、足しても、足してもわからない「カオス」に足を踏み込んでしまったのか。ブレンドコーヒーの女神(そんなもんがいるのか?)が微笑んでいる。

「私の魅力に取り憑かれたら抜けきれないのよ。諦めなさい」

谷戸の下ブレンドは(私が担当の濃いブレンドは)、おそらくお店が始まっても、試行錯誤し続け、ブレンドの味も微妙に変わっていくと思われる。何卒、お客様には予めご理解いただき、その変化も楽しんでもらえれば幸いだ。

そして、いつか、「今日のブレンドが最高だよ」という日がくるのをお客様と待ちたいと思う。いったい、その日は来るのだろうか。

今日は変な文章になっちゃったなー。まあ、いいか。

谷戸の下ブレンド試作中”に 2 件のコメント

  1. ごめんなさい、読みながら笑いが止まらなくなってしまいました!
    コーヒーのブレンドをしながら妄想にふけるyuiくん、かなり面白いです。
    その迷宮の谷戸の下ブレンドを是非試してみたいです。

    1. kazuちゃん

      ぜひ、俺のコクのあるコーヒーを飲みに来て!
      でも、micoさん曰く私は「コクもないし、スッキリもしていない」そうだ。
      キビシー!

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